作品の本質とは? ― コスプレパフォーマンスから得た学び ―

皆さんは、作品を見るとき、どんなことを意識していますか。

私は、「この作品はいったい何を伝えているのか?」ということを意識して見ています。

その考えに至ったきっかけは、私が初めて挑戦したコスプレパフォーマンスでした。

もともと私は演劇活動をしており、その延長で、2023年に新潟県長岡市でコスプレイベントを開催する方から、「コスプレパフォーマンスをしてほしい」と依頼をいただいたことが始まりです。

そのイベントはコンテスト形式で順位が決まるものでしたが、私が最初に考えたのは、「どうすれば目立てるか」ではありませんでした。

「この作品を通して、何を伝えたいのか。」

そこから作品づくりが始まりました。

当時、題材に選んだのは『鬼滅の刃』です。

私は、この作品の本質は「鬼を倒すこと」ではなく、「想いを受け継ぐこと」
つまり”継承”にあると考えました。

継国縁壱、煉獄杏寿郎、竈門炭治郎、時透無一郎というキャラクターを通して、世代を超えて受け継がれる想いをダンスで表現することにしました。
(私は、時透無一郎のコスプレをしました!)

【画像1_パフォーマンス時の様子】

その中で私たちが特に大切にしたのは、「鬼を倒す」という表面的な姿ではありませんでした。

『鬼滅の刃』には日輪刀という鬼を倒す武器が登場します。

しかし私は、「武器があるから鬼を倒せる」のではなく、「悪を断ち切る」という強い意志や信念が代々受け継がれてきたからこそ、立ち向かうことができるのだと考えました。

そのため、今回のパフォーマンスではあえて刀を使わず、「悪」「鬼」「滅」「殺」の四文字を書いた扇子を使いました。

扇子には、武器ではなく、人から人へ受け継がれる想いや精神を表現したいという意味を込めました。

【画像2_悪鬼滅殺の扇子】

この作品で私たちが伝えたかったのは、「武器で勝つ姿」ではなく、「心で打ち勝つ姿」だったからです。

ありがたいことに、この作品はコンテストで優勝し、審査も全会一致だったと伺いました。

【画像3_表彰式の様子】

もちろん結果は嬉しかったのですが、それ以上に心に残ったのは、「何を伝えたいのか」という目的を明確に持って作品をつくること自体に、大きな価値があるということでした。

作品は、見た目の華やかさや技術だけではなく、その奥にある想いが人の心を動かすのだと実感した瞬間でした。

この経験を通して、最近は作品を見ること自体も、作者とのコミュニケーションだと感じるようになりました。

作者はどのような想いで作品を生み出したのか。何を伝えたくて、この表現を選んだのか。

そんなことを考えながら作品に触れると、それまで見えていなかった背景や意図に気づき、作品との向き合い方が大きく変わります。

一方で、作品をつくる側も、「何を伝えたいのか」という目的を明確に持つことで、表現に一貫性が生まれます。

つまり、作品とは一方的に発信するものではなく、想いを届け、それを受け取る「対話」なのだと思います。

そう考えるようになってから、さらに私は「時間」の価値についても考えるようになりました。

例えば、同じ2時間でも、ただ作品を眺めて終わる時間と、作者の想いを受け取り、自分自身も考えながら過ごす時間では、得られるものは大きく違います。

作品をつくる時間も同じです。

ただ完成させることを目的にするのではなく、「何を伝えたいのか」を考えながら向き合う時間は、自分自身の考えを深め、人としても成長できる時間になります。

同じ時間を過ごしていても、その時間にどんな目的を持つかによって、その価値は大きく変わります。

だから私は、作品づくりでも、日々の生活や仕事でも、「何のために行うのか」を大切にしたいと思っています。

その時間の積み重ねが、人の心を動かす作品を生み出し、自分自身の人生をより豊かなものにしていくのではないでしょうか。

今回の記事が、新たな気づきや考えるきっかけになれば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。