デジタルネイティブな子供たち

こんにちは!
今回は、デジタルネイティブの子供向け教育から考えさせられたアレやコレについてお話したいと思います。
生まれたときからインターネットが身近にある世代、それが「デジタルネイティブ」。
どの世代をデジタルネイティブとみなすかには多少のゆれがありますが、1990年以降に生まれた人を指すことが多いようです。
みなさまは、初めてスマートフォンを所有したのはいつ頃でしたか?
小学生のスマートフォン所有率は年々上がっており、NTTドコモの研究所によると、現在は小学6年生の65%が所有しております。
(参考:https://www.moba-ken.jp/project/children/kodomo20240129.html)
そして、小学校では道徳の授業で、SNSでのトラブルやSNSへの書き込みの影響について教えているそうです。
例えばこんな場面・・・

お友達の飼い犬に対して「とても可愛いよね?!」と肯定の同意を求めるつもりで発信しているのに、「全く可愛くない。(とても不細工)」と否定で捉えられる可能性がありますね。
次はこんな場面・・・

「私たち友達なのだから、もう謝らなくても大丈夫だよ。」のつもりで発信しても、「今更謝られてもどうでもいいよ、私たち友達なんかじゃない。(絶交)」と捉えられる可能性があります。
また、大人であっても謝罪の投稿をしてから返事がくるまでは落ち着かないですよね。
小学生にとっての返事を待つ1時間は、大人よりもストレスがあるでしょう。
相手は単にお風呂に入っていただけかもしれませんが。
さらにこんな場面・・・

徒歩なのか、自転車なのか、大人が車で送ってくるのか、交通手段を確認するつもりで発信しても、「なぜあなたまで来るの?(来ないでよ)」と捉えられる可能性があります。
SNS上の文字のやり取りは、お互いの表情や声の調子、身振り手振りなどが見えないコミュニケーションで、やり取りのテンポも早く短文中心となるため、自分が伝えたいこととは違う意味で受け取られ、いじめや喧嘩に発展することもあります。
そのことを認識し、発信する前に内容を読み直しましょう。
このような指導をされているようです。
これって・・・
私たち社会人も1度や2度は耳に(目に)しませんでしたか?
現在では多くの企業が社内外問わず、コミュニケーションツールとしてチャットを導入しています。
ビジネスチャットのマナーは色々ありますが、何よりも「少ない文字のやり取りなので、同じ言葉でも人によって受け取り方が違う」ことを意識しましょうと、チャット導入時に言われたと思います。
もしかすると最近は、新人教育として受けるビジネスマナーの中にビジネスチャットのマナーも含まれているかもしれませんね。
話はデジタルネイティブに戻りますが、AIの活用も一般化されてきた昨今、子供達から「AIが翻訳してくれるのに、英語を勉強する意味ある?」といった様な疑問を投げられることもあるでしょう。
英語を学んだ方が良い理由はもちろん沢山ありますが、ここでは学習中のAI翻訳が完璧ではないことについてお話しします。
まずは、先のチャット画像から・・・
「めちゃかわいくない」→ “Not really cute”
「もういいよ、友達じゃない」→ “That's enough, we're not friends”
「何でくるの?」→ “Why are you coming?”
AI翻訳すると、こうなります。子供達に一波乱起こりそうですね。。。
次は、弊社東京事業所で実際にあった、プリントアウト作業中のエピソード。
標準語での会話だと、
Aさん:「あっ!紙が切れちゃった!」
Bさん:「そこに新しいものがあるよ。」
だったのですが、実際の会話をAI翻訳するとこうなります。

Bさんは関西人だったのです。
関西弁で「そこに『さら』あるで。」と言っていたのでした。
(関西弁の「さら」=「まっさら」、「新しいもの」)
関東育ちのAさんにとって、「さら」は「お皿」以外の何者でもなく、「Bさんは何を言っているのだろう・・・」と思った と言う、方言を使った日本語会話でのエピソードでした。
この会話をAI翻訳すると、やはり“plates”、「お皿」になっちゃいますね。
このように、人間側が標準語で翻訳にかけることを心がけるか、AIが方言を学習し、「『さら』は『お皿』の意味ですか?『新しい』の意味ですか?」と問いかけてきて、人間の回答を得てから翻訳するようになるか、をしないと正しい会話は成り立たない場合がありますね。
後者の対応はもうすぐそこまできていそうですが、若者言葉などのスラングを初め、言語も日々変化していますので、やはり標準語かつ一般的な表現で翻訳にかけることを意識することがチョベリグ(非常に良いの意。「超ベリー・グッド (very good)」の略。1990年代後半の流行語。)ですね。
ちなみにこの「チョベリグ」ですが、ChatGPTは正しく翻訳します。
「チョベリグ」は1990年代の日本で流行した若者言葉で、「超ベリーグッド(very good)」を略した言葉です。英語にすると以下のように訳せます:
"Super very good"
または
"Extremely great"
ただし、この言葉はスラングであり、現在ではあまり使われていません。翻訳の際には、その時代特有の言葉であることを考慮する必要があります。
それでは関西弁ネタとしてお馴染みのこれは、ChatGPTで正しく翻訳されるのか・・・
「ちゃうちゃうちゃう?」「ちゃうちゃう、ちゃうちゃうちゃうんちゃう?」の会話を翻訳。
このフレーズは日本語の関西弁を使った言葉遊びで、「ちゃう(違う)」の繰り返しを巧みに使った面白いやり取りです。文脈によって異なりますが、以下のように訳せます:
日本語
「ちゃうちゃうちゃう?」→ 「違う違う、違うの?」
「ちゃうちゃう、ちゃうちゃうちゃうんちゃう?」→ 「違う違う、違う違うじゃないんじゃない?」
英語
「ちゃうちゃうちゃう?」→ "Isn't it wrong, wrong?"または"No, no, isn't it wrong?"
「ちゃうちゃう、ちゃうちゃうちゃうんちゃう?」→ "No, no, isn't 'wrong wrong' not wrong?"または"No, no, isn't it that 'it's not wrong wrong'?"
ちゃいますね。(違いますね。)
これは、「チャウチャウ(犬種)ですよね?」「違う違う、チャウチャウ(犬種)ではないのではないでしょうか?」の会話です。

進化し続けるAIですが、方言やスラングの対応が万全となる日はまだまだ先かもしれません。
最後になりますが、デジタルネイティブな子供たちへ
「SNS上で相手にメッセージを送るときや投稿するときは、誤解されにくい言葉を選んだり、絵文字やスタンプを使用する、ポジティブな言葉を選ぶ など、自分の気持ちが正しく伝わる内容であるかをよく確認してから、慎重に送信、投稿するようにしましょう。」
「AI翻訳はまだまだ万全ではありません。無駄になることはないので、安心して英語を学びましょう。」
を伝えていきたいと思います。
ご一読いただき有難うございました。